2月

 

冷え込む朝、

カイロを貼って、

綿入りのジャケットを着て、ブーツを履き、

車を温めて、市場へ。

そういえば、昔、小学生のころには、

空き地に入ると「霜柱」でザクザクいったっけ、

今はそんな「土の空き地」もなければ、「霜柱」もない。

ああいう、身体で感じ取る季節の風情は年々少なくなって行くのかな、、。

外はまだ冬、

しかし花市場内はすっかり春一色。

チューリップや、ラナンキュラス、ヒヤシンス、水仙、スイトピーなどなど、

プリプリと元気いっぱいに咲き、甘い香りを漂わせている。

私の一番好きな季節かもしれない、

と、一年に何度もそう思ったりするけれど(笑)、

間違いなく、この香りに包まれていると、それだけで元気になる。

そんな2月。

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先週から今週、

全国へ発送したたくさんの春のお花たちが、

色々な方々のところでみずみずしく咲き、

すがすがしい香りを放っていることでしょう。

みんな、それぞれが、命を謳歌できますように!

<おまけ画像>

そういえば前回アップしたサンシュユの生け込みの画像、

翌週には人々が集う空間でその命を謳歌していました。

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・・それより霜柱って知らない人がほとんどだろうなあ。。。amica公式サイト

インフルエンザとAURA note

 

1月ももう18日が過ぎました、

色々とご心配をおかけしましたが、

おかげさまでようやく復活(遅)しました。

結局、誰にもうつさなかったようなので告白すると、

生まれて初めて「インフルエンザ」にかかっておりました。

前回のブログの最後でただならぬ悪寒とだるさに襲われたと書きましたが、

犯人はインフルエンザウィルスでした。

本当に、今まで周りにインフルエンザの人がいなくて全然知らなかったけれど、

すっっっごいキツイ・・・。どうりでみんな予防接種受けるはず。。。

扁桃腺で高熱が出ることが多かった私にとっては、

39度という熱には驚かないのですが、

その強烈なだるさ、しんどさ、、、もう、ただただ寝ているしかない、、、

おかげで一日があっという間に過ぎ、数日があっという間に終わる。

とにかく水分だけは摂るようにして、ニュースでさんざん耳にしたタミフルを飲む。

熱が下がっても2日間は感染する可能性があるとのことで、

大事を取って休む、というか、本当にまだまだフラフラしてしんどい。

ロクに食欲が湧かず、体の芯がずっとだるく、一日のうち、数時間は横になる。

正直、ほぼ二週間かかりました。

人によってはざっと一か月かかるらしく、本当に侮れません、インフルエンザ。。。

身体に力がない間は、なかなかモノを作る元気もなく、

それ以前に、仕入に行く運転をする元気が出ない、

それでも世の中は松の内も明けて普段の日々へ。

生け込みも今まで通り、季節のお花に入れ替え。

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今まであまり意識しなかったけれど、

生け込みで大きな枝ものなどを扱う場合、

相手も数年以上生きてきた生物、

私が主導権を握って活けるにしても、木々も何かしら主張してくる。

数本ある枝のうち、瞬時に「これが主役」と私が決める、

その主役は急に勢いを持って壺の中で命を燃やす、

他の枝たちは、自分たちも!、とそれぞれに。

その中からまた選び、全体のデザインのイメージの中へ活ける。

その枝は「そう来たね!」と言わんばかりにその位置で命の華を開かせる、

生け込みは即興音楽のように、その都度の空気で変化していく。

今回は病み上がりでなんとなく身体全体に力が入らない、

となると、ふとした瞬間に枝たちと呼吸が合わずに押され気味になる。

そうか、毎回、ある意味こんな激しいやりとりをしていたのか、と。

元気が出て来た頃に、

徐々に春の婚礼の打ち合わせなども次々舞い込む。

ありがたいことに、色々な方からのご紹介が多い。

ようやく遠くまで運転する気分になって、

去年秋からの懸案だったオーディオを見に行く。

日本橋逸品館へ。

ここへ来るのは2回目、

このゾクゾクするようなマニアック感!

ジョシは今回も私一人でした(笑)

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視聴室のソファーでお目当ての機種を聴かせてもらう。

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翌日、今度はバング&オルフセンにも行き、ここでも視聴室で最高級を聴かせてもらう。

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自分の大事な時間を過ごすためのオーディオ、

これからの長いお付き合いを考えるとやはり妥協はできない。

見た目も大切だし、使う楽しさも欲しい、

機能もこれからの時代を見越してMDじゃなくてUSB入力端子のあるもの、、、。

(私ってホント、こうるさいな、、笑)

で、出会ったのがAURA note(オーラ ノート)

これをデザインしたのはケネス・グランジさんという、プロダクトデザイン界の重鎮。

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そのデザイン、その歴史、もちろん音質、機能、、、。

今の私にピッタリだと思う。

車のカングーもそうだったけれど、

長く愛せる、自分にぴったりのものが、ちゃんと見つかる。

やっぱり根気よく探して良かった。。。

というわけで、

次回からの芦屋教室ではこのAURA noteで心地よい音楽をお聴きいただけます。

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今年も五感を刺激する?amicaをよろしくお願いします。。。。。amica公式サイト

今年最初のウェディング

 

遅ればせながら、

皆様、あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

こうして遅れたのには理由があったのですが、それはまた今度書くとして。

2008年末から年をまたいで準備をしていた婚礼の装花、

おかげさまで1月4日、無事終了いたしました。

主役のお二人にも大変喜んでいただき、

とても心に残る一日となりました。

昨年末最終日の29日に入荷したカップ咲きのバラたち、

そして、アマリリスのクリスマスギフト、

大事にケアしたジャスミン、、、

予定して段取りしたとおり、

すべてがこの日のために照準を合わせて咲いてくれました。

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実は、この日の装花は、

花嫁さんがそれまで打ち合わせしていたお花屋さんでは、

イメージが伝わらず不安を感じる、ということで、

12月も後半に入って、急遽、amicaにいただいたお話でした。

お電話で花嫁さんと初めてお話した、そのお声から、

柔らかく、甘い印象の方、と私なりにイメージしていました。

実際にお会いしてお花のご希望を伺うと、

そのイメージそのままの、透明感のある、淡い色合いで、とのこと。

そして、大きな強い葉モノは好きではない、とのこと。

確かにそれも納得、私のイメージにはそれもありませんでした。

前任のお花屋さんにはなかなか伝わらなかったというその「透明感」は、

その花嫁さんの何よりの個性だと私には感じられました。

打ち合わせはものすごくスムーズに進み、

お話はついついお相手様、ガンバ大阪のY選手のほうへ。

このY選手、まだ21歳になったばかりというのに、

ものすごくコミュニケーション能力が高く、場の空気を和ませて下さるのです。

このときは世界3位と決まった試合の直後、

そして天皇杯を控えていたりと大変な忙しさの中の打ち合わせだったのですが、

疲れなど全く感じさせず、とても温かく、謙虚な姿勢で、

そして私の経歴を見て「プロだなーーー!」とか言いながら、

きちんとお花の打ち合わせに楽しく参加して下さったのでした。

お話によると、既に今までに30ヶ国以上へ赴き戦っているそうで、

年齢以上の落ち着きや風格などはその経験から培われたものだと思われました。

そしてサッカーはもちろんチームワークも大切なスポーツ、

先輩、後輩という規律の中で養われるもの(礼儀など)も多くあるのだろうと思います。

いや、本当に、打ち合わせの段階からすっかりファンになってしまった私でした。

当日には、昨年生まれたRちゃんと一緒に。

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挙式にはご希望のジャスミンをあしらったキャスケードブーケを。

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お色直しには今回のテーマカラーにもなったサーモンピンクのブーケを。

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花嫁さんの友人たちへのブーケプルズ、そして独身選手たちへはブロッコリープルズ、

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なんと独身選手は25名、かなりの競争率の中、引き当てたのは・・・

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やはりこの人!元旦の天皇杯でもシュートを決めた播戸選手

25分の一の確率、さすが今乗ってる選手は違います、

amicaのブーケは効き目があるので、次に結婚するのは彼に間違いなし!

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披露宴の間、100名近いゲストの皆さんは、

様々な人のスピーチ、歌、スライドなどを、

体ごと向けて静かに聴き入り、ときには手拍子もし、

私がそれまで抱いていた「体育会系」のノリのものとは違っていました。

いつだったか司会経験の長い人が、

「人のスピーチを体ごと正面向けて聞く人は優しい人が多い」と聞いたことがあります。

この日はまさに、そういう人たちが多かったようです。

さて残念なことに、

そんな穏やかで楽しいパーティの途中から、

私はなんだか悪寒に襲われ、

二次会のスタートを待たずに無念のリタイア、

お二人へのご挨拶をきちんとしたかった、サインも欲しかった、

そんなことをうわごとのように言いながらも、

稲井クンに送ってもらって帰ったのでした。。。

お開きも終わり、お二人へのご挨拶を終え、

撤去も済んで帰ってきた稲井クン、

なんと、手にはY選手のサインが。

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じい~ん、、、、、、、

Y選手のお人柄に、

この気持ちのこもった文字に、

そして、こういうの言い出しにくいのにちゃんとサインもらってくれた稲井クンに。

この仕事やってきて、本当に良かった。

お礼のありがたいお言葉をたくさんいただいたことはありますが、

こうして形になったもの、というのは、また格別で、

この仕事を、きちんと、これからもやっていこう、と、

また新たに噛みしめた、

今年最初のウェディングでした。

2009年、何か良いことがある予感でいっぱい・・・・・・・・・・amica公式サイト

よいお年を。

 

通販&配達業務は30日まで、

それをとにかく終えて。

たっぷり溜まったモロモロの業務を、

31日だけで、というのは。。。

今、amicaアトリエは気温10度、

いい感じで冷えてます。

白いアマリリス、数十本、

イングリッシュローズ、百数十本、

スマイラックス、数十本、

スイトピー、二百本、

食は王将にあり!、みたいな感じ?(←関西ネタ?)

とにかく、年明けの婚礼のお花たちが、

いい香りを放ち始めながら、出番を今か今かと待っている。

年明けの、とはいえ、今週末の、なのですが、

咲き過ぎないか、逆に、ちゃんといい感じで咲くか、

バラたちは普段より「固め」で切ってもらっているので、

おそらくこの分だと、ちょうど花嫁さんの手に持つときに一番の瞬間、のはず。

みそかも、元旦も、かなり冷え込むそうで、

お花のキーパー(冷蔵庫)を持たないamica、こんなときにも運がいいな、と思う。

元旦、初詣、サッカー天皇杯の試合を観戦予定、三年河豚の予定(笑)。

二日には、20年来の旧友と高齢、じゃなくて、恒例のランチ~お茶~ご飯~、、、?

三日には、朝から婚礼準備。発送業務もあり。

四日には、搬入、二次会のお開きまでお付き合い。

五日、初市に繰り出し、あとは通常業務、で。

代わりのお正月休み、と言ってはなんですが、

1月10日(土)~15日(木)の期間、

通販&配達業務をお休みさせていただきたいと思います。

今年は、とにかく近年にないほど、良い一年でした。

人との出会い、そして、広がり、そして、深め合うこと、

そうすることで、自分自身をより深く知ることも、受け入れることもでき、

そしてさらに、世の中の様々なことがしっかり見えてくるようになりました。

この一年が、これからにとって大きな意味のある節目の年だったと思います。

自分より、年上の方々のお話をたくさん聞けたことが何よりでした。

もちろん、ずっと年下の人からも、学ぶことは多くありました。

年を重ねることは実が熟すようで楽しい、と思います。

そんな、まだまだ発展途上の、アラフォー日記(笑)、

今年もお付き合いいただきましてありがとうございました。

お一人お一人、

想うことは様々で、人生色々ありますが、

味方は必ずいます。

どうぞ、よいお年をお迎えください。

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松、竹、梅、千両、南天、お正月の和素材は奥深くて素晴らしい・・・amica公式サイト

クリスマスギフト

 

クリスマス、、、大変な忙しさに追われる時期でもあり、

それほど遊んでもいられないのがフローリストのサダメでもあり、

それでも先週から、今週、色々と楽しい時間を過ごさせていただきました。

不景気のニュースが流れ、街中もなんとなくこの時期にしては人が少なめ。

そんなクリスマス前の23日20時ころに、ちょっとした用事で梅田の阪急百貨店へ。

中へ入ってびっくり、外とは想像がつかないほどの人だかりでギュウギュウになっている。

何事か?と思うと、そこは一面アクセサリー売り場。

もれなく、全員、みなさん、カップルで、彼女のアクセサリーを選ぶ!

そっか、明日はイブなんだ、と、そしてその日はイブイブなんだった、

いや、全員、もれなく、ギュウギュウで選ぶて、

なんか、こっちが赤面する。。。これって、やはり、私カワッテル?というか、オワッテル?(笑)

この人たちって、もしかして、家庭持ったら車に「1188」とかのナンバーを付けるタイプ???

いやあ、それはそれで、とてもステキなことかもしれません。

誤解のないように書くと、そこには一切のやっかみはありません、

だって、ちゃんと私にもクリスマスギフトが舞い降りていたからです。

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来年の、valextra(ヴァレクストラ)の手帳!

この薄さ、スマートさ、マンスリーだけという私好みの内容。

クールで、上質で、美しく、長く使えるもの、という黄金の四拍子が揃っている。

愛用しているお財布とお揃いにして、来年も更にバリバリと。

外はホワイトだけど、中のスケジュールは真っ黒(シゴトも遊びも)が理想ですな。

このスケジュール帳に最初に書きこんだのは、

1月4日の結婚式、この特別な特別な装花。

なぜ特別かというと、

主役の新郎さんが有名なJリーガーということより前に、

(サッカー少年の甥っ子ズにはサインを頼まれてしまいました。。)

お花の仕入れの段取りが超特別!!!

お花業界の方はおわかりかと(また!)思いますが、

お花の初市(新年の始まり)は、、、関西は1月5日。。。

ということで、年末ぎりぎりに万全の仕入れをして、

毎日の気温などをチェックしつつ丁寧に丁寧に手入れをして、

1月4日に照準を合わせる、という、年をまたいだ壮大なプロジェクトなわけで。。。

ブーケにはデリケートなカップ咲きのバラの数々をふんだんにというご希望。。。

会場はありとあらゆる場所をお花で飾る、という、

新年に幸先のよい、本当にありがたいお仕事なのです。

私は特大のねじり鉢巻きをギリリと巻くでしょう、

そして、初夢はおそらくそのふんだんなお花たちだろうと思います。

いや、それはフローリストにとってはまさに夢のような年越しです。

ちなみに、チャペルを飾るのは真っ白なアマリリス

品種名は「クリスマスギフト」。

写真は以前ブーケをご依頼いただいたyukaさんのもの。

奥に見えているのがその「クリスマスギフト」。

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また詳しくは年明けのブログにて。乞うご期待。

まずは29日のサッカー準決勝でガンバを応援しよう!!!

手帳は誰からクリスマスギフトか、amica通のあなたなら分かるはず・・・・・amica公式サイト

私のアイドル

 

数日前、

仕事上でへたり込んでしまうようなことがあり、

しかしそれをしっかりと噛みしめて、

更にいかなるオーダーにもサポーティブでなければ、と決心した次第。。。

そんなぺしゃんこな気分のまま、

急な婚礼装花の資料を探しに芦屋駅の本屋さんへ。

目当ての雑誌を見つけたあとに、ふと目に留まった本。

最近、オーディオ(CDコンポ)が壊れて以来、

色々と探しているということもあって手に取る。

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オーディオ専門誌の中で最も古く権威のある「ステレオサウンド」。

その読み物の中に、大好きなゴンチチの記事を見つけて読み始め、

肝心のオーディオ欄はほとんどは分からないにも関わらず購入する。

そこでふと思い出した!

最近、色々な人が自分の若いときからのアイドルについて話していたことを。

ある人は「ヒムロック」、

ある人は「THE MODSの森山さん」、←これはガチガチのアラフォーネタですが。

みんなそれぞれ、そのアイドルのことを話すときは可愛らしいジョシの顔になる。

私は誰かな、あんまり思い当たらないな、と思いながらそのときは聞いていた。

が、その記事を見てザザザーっと古い記憶が蘇ってきた。

そうだ、私のアイドルはゴンチチの「チチ松村さん」だった。

デビュー後数年のゴンチチ(その当時はゴンザレス三上チチ松村だった)の音に、

すごく心惹かれて、当時レンタルレコード店で借りて聴いていた。

ライナーには二人ともサラリーマンで、楽しみの延長でデュオを組んでいるとのこと。

音づくりには仲間?でもあるサイズの松浦雅也がかかわっていた。

当時はナイロンギターとスチールギター、二人だけで色合いがない、と思われたのか、

必ずかなりのコンピュータの味付けが施されていて、ときどきそれに食傷気味になったりもした。

だから、コンサートの度、最後のアンケートには「二人だけでレコード作ってほしい」と毎回も書いた。

コンサートにはほとんどすべて行った。

東京にいたころには青山劇場やインクスティック芝浦(懐かし・・)に加え、

渋谷のクラブクアトロサントリーホールにも行った記憶がある。

そのクラブクアトロではなぜかデビュー間もない東京スカパラダイスオーケストラと一緒に出て、

後半、興奮しすぎたスカパラファンがステージに上がって踊ったあと、

スタンディングしている客席にダイブする、という事件?もあった。

休日には気分転換で水族館に行き、

ウォークマン(これも懐かし)でゴンチチを聴きながら癒しの時間を過ごしていた。

友人たちにはゴンチチを録音しては配り、布教活動?をしていた。

おかげで私の友人たちに「フレディ・マーキュリー」と「ゴンチチ」を知らない人はいない(笑)。

またチチ松村氏の大阪でのラジオ深夜番組「ミッドナイトきのこ列車」を、

関西にいる友人に録音して送ってもらい、

チチさんと中島らも氏の掛け合いを楽しんでいた。

代わりにその友人の好きな「少年隊」(Oh・・・!)のラジオ番組を録音して送った。

と、もう、かなり痛々しい(笑)青春時代であるけれど、

ゴンチチの、肩の力の抜けた音作りやこそばゆい笑いが散りばめられたライブに、

日々を楽しむことを教えてもらった気がする。

最近では天気予報やCMでその音を耳にしない日はないくらいだけれど、

その静かで美しいメロディはもちろんのこと、

何より、自分の好きなことをずっと楽しみながら続けている、

その喜びが感じられて私は大好きなんだと思う。

ウクレレのハーブオオタさんと。私の大大大好きな「イパネマの娘」を。

珍しく二人で歌っている曲。二人の掛け合いも私は大好きだな。

ちなみに「鉄の服」の話はこちら参照

http://jp.youtube.com/watch?v=jRbBJ3Kiaq8

話はその雑誌「ステレオサウンド」に戻るけれど、

私がなぜゴンチチを好きだったかが200%クリアになるくらい、

明晰な文章で、深く、客観的に、でも少し愛情を持って書かれている。

このエッセイ(小論文、論説)、、、その素晴らしい視点と文章には圧倒された。

どの分野でもプロというのは磨かれていて輝いている、とつくづく思った。

(ちなみにこの「ステレオサウンド」の編集長、原田勲氏は、

奇跡のオーベルジュ、マッカリーナ誕生に深く関わっておられます)

改めてまたゴンチチを好きになって、上機嫌でCDをかけ、

そして、好きなことを仕事にしている自分の幸せを噛みしめた。

さらにサポーティブに頑張ります。・・・・・・・・・・amica公式サイト

 

結婚式

仕事がら、15年間の花人生の間には、

様々な結婚式に立ち会って来た。

友引のその日は、装花にも携わり、結婚式にもご招待いただいていた。

それは実はあまりない経験で、

装花のセッティングが終わりかけたら、次は着替えが待っている。

その完成した装花を見渡す。

今までの私自身の引き出しには全く無いようなスタイリングの、

独創的で季節のクリスマス感もある、ドキドキするくらい新鮮なデザイン!

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前号までをお読みいただくとお分かりの通り、花材は途中で変更になった。

でもRさんは冷静に普段通りベストを尽くし、ワクワクするような答えを導き出す。

そこには何の困惑もなく、本当に楽しげに、目の前の花たちとセッションを楽しむように、

ひらめきと同時進行でどんどん作品が仕上げられていった。 それもアウェイで。

それこそが「本物」な人の「底力」なのだろうと、ズシリとした重量感を持って知った。

ついつい好みもあるしデザインの固定観念もあるし、アレがなくちゃ出来ないとか思いがちだけれど、

相手は花という生モノ、その場にある花たちの表情をそのまま最大限生かす形で、

うまくセッションしながら作り上げていくことが一番の理想形なのだと思った。

さて、自分の身支度。

普段、婚礼に関しては黒子、裏方であることが多いので、

自分の顔を整えるのは二の次、自分の顔より装花の仕上がりが気になるワケで(笑)

しかし山村さんにも「がんばりましょう」と励まされ?、珍しくアイラインを引いて参列。

この日の挙式、披露宴、あらゆる部分において、

お二人の手作りとのことで、それがとても楽しみでもあった。

オリジナルの席次表にはお二人のプロフィールに加え、列席のゲストの紹介も。

ウェルカムボードも、そして何より、演出、進行のほとんどがオリジナリティあふれるものだった。

挙式では参列者が全員結婚承諾書に署名したうえ、Rさんがお花を束ねる。

いわゆるブーケセレモニーに署名も合わせたもの。

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Rさんの組むブーケで結婚することが夢だった花嫁さん、

あとで聞いた話では、「Rさんと結婚するんだ、私」と思って嬉しくて涙が止まらなかったそう。

繊細でフェミニンで豪華なブーケがみるみる完成。

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列席者とお二人が一体感を持つ挙式と同様に、

披露宴でもゲストとの距離は近い。

なんと、新郎新婦が各テーブルを回って食事しながら、

ゲスト全員を一人ずつを紹介していく、という。

このスタイルは私は全く初めてだったけれど、

面白ことにそれぞれとのエピソードなどを話すうちに、お二人の人柄も浮き彫りになる。

いかに人との関わりを大事にしてこられたか、も。

席の配置も、ゲストお互いがそれぞれに話が合いそうな、そして、

今後お付き合いが始まればよいな、という人同士が同席するように。

私の隣にはRさんとのご縁の発端でもあるMゆかさん、

そして、東京のjuno fleurのおおたさんが。

この方、関西ジョシも腰を抜かすくらいの面白さで、もうずっと笑わせていただいた。

なんでも、「40過ぎて口角が下がった女は終わってる」というお母様からの言い伝え?があって、

とにかく「一日一笑」、それを実践なさっている。

この日、この友引の日、

もちろん、主役のお二人の友人が集まる幸せな一日であり、

そして私にとっても、初めて会う人、これから友となっていく人、その予感のある人、

そういう方々と会えた、とても幸せな日となった。

Rさん、Kさん、ありがとう。どうぞ末永くお幸せに。

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パリにも、広島にも、東京にも、行きたいところだらけになった・・・・・・・・・・amica公式サイト

続続 友引の、その日のこと

 

(前回の続き)

Rさんの大好物「モスチーズバーガー」を買って帰ると、

そこには既にドゥジエムの山村さんの姿があった。

広島のドゥジエムさん、、、今の花業界で全国規模でみても屈指の、

志とクオリティの高さで一目置かれているお花屋さんである。

昨年は広島で大きなイヴェントを開催し、全国から多くの人を集めて注目された。

その企画力や実行力でも高く評価されたのが山村さんなのであります。

そんな方が今回のウェディング装花に参加なさると聞いたときには、

本当に感激したし、そして同じくらい緊張したのでした。

で、11時ころに芦屋に到着した山村さん、

どうやって新幹線に乗って来られたんだろうと思うくらいのお花を持って来られたのです。

身長ほどのサンゴ水木の束を始め、驚くほど美しいバラの数々、美しい芍薬、葉モノ、、、

ブログで何度か見せていただいてたものの、ドゥジエムさんのとこの花はアツい。。。

軽めに昼食を取ったあと、

最終の打ち合わせや花嫁のそばに付き添うためにRさんは、

さささ~っと30秒くらいでこの日の装花を山村さんに伝えて会場に向かう。

さてと、何から、とほんの一瞬の間があるかなしかで、初めてのこの場所で、

山村さんはすぐに、いや、本当にすぐに、まるで一週間前からこのことに関わっていたかのように、

全体の割り振りもしつつ、何の違和感もなくサクサクと作業に取り掛かる。

ふと、自分がエヴィアンに行ったときのことを思い出す。

必要な道具があれば、そしてそこに必要な花材があれば、

フローリストというのはどこででもシゴトできるんだな、と。 

♪包丁いいっぽ~ん♪晒しに巻いて~♪(古)そんな気分になった。。。

いやそれにしてもドゥジエムさんの作業の早さったら・・・!

あまり色々と世間話をする雰囲気でもない中で、ポツリと山村さんが言った一言。

「これはある意味アウェイだから、終わったら疲れるかも」

そうなんだ、自分で仕入れして場所がホームグラウンドでも、

デモンストレーションや講義などでデザイナー(作り手)を迎える場合、

内容的には「ある意味アウェイ」になる。

これは経験した人だからこそ言える、温かいいたわりの言葉だと、私は後日気がついた。

作業途中で迷って困ったり、気がヘンに焦っているときも、

山村さんは常に緊張を和らげるように、気を楽にできるような言葉を口にする。

その度に私は自分に余裕を少し取り戻し、ずいぶん助けられた。

あっという間に制作物が完了し、いよいよ、アトリエから搬出、会場へ搬入、セッティングへ。

私はもちろん、この会場には慣れている、スタッフも。

けど、ドゥジエムさんは初めての場所、完全アウェイである。はず。

なのにここでも、まるで前から知ってるようにスイスイと動き、サクサクとセッティング。

これはこの仕事を経験したことのある人、いや、

多くの職場での人との空気感では誰もが経験することかもしれないけれど、

作業のリズムの素晴らしい人が一人いると、周りの動きまでスムーズになる。その逆もあり。

山村さんの動きは、独特のドゥジエムビートとでも言うべき心地よいリズムで刻まれており、

すべてのことが滞りなくスイスイと運ばれていく。

私たちもそのリズムに合わせて、とても安心して気持ちにゆとりを持って、

そして何より、すっごく楽しみながら動けたのでした。

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チャペルの祭壇はRさんのリクエストで「外側Lシェイプ」に。

チェアフラワーは「空気感」が大切にされたミニブーケ。

次回はいよいよ完結編、かな。・・・・・・・・・・・・・・・amica公式サイト

続 友引の、その日のこと

 

(前号の続き)

その夜、帰ってすぐに、パソコンから連絡つく人に、ケイタイが通じないことを知らせる。

日曜の午前に合流する広島のお花屋さんのdeuxi(ドゥジエム)さん

そのドゥジエムさんにはRさんへ、その事情を伝えてもらえるように、

一緒に披露宴に呼ばれているMゆかさん、

そしてスタッフたち。

市場のお兄さんの一人が、自身の名刺にケイタイ番号も手書きしていたのを思い出す。

早速電話。日曜の市場が10時ころに開くことを知る。

土曜の夜なのに、みんな電話出てくれてありがたい。。。

その晩、なんとなく落ち着かない気分で、明日の大仕事に備えて、

お風呂、ストレッチも抜かりなく。

普段、アラームに使っているケイタイがないので、目覚まし時計を引っ張り出す。

寝ようとしてふと、代わりの花たちが整ったところで思う。

その、80本の花。

私は15年、花嫁の味方でもあったけれど、一方、花の味方でもあったと。

できれば、日の目を浴びさせてあげたい、胸を張って咲かせてあげたい。。。

その晩は眠っているのか起きているのか、

夢うつつの中で何度も何度も花嫁さんを説得していた。

「嫌いな食べ物でも一流シェフが調理したら美味しく食べられますよね」とか、

「あの会場に似合う花、といえば、この花だと言われてるんですよ」とか、

「今まで良い思い出のないお花なら、今日でその記憶を塗り替えましょう」とか、、、

自分でも驚くほど、色々と言葉があふれ出てきた。

また、その合間には、

久々に引っ張り出してきた目覚まし時計が信用できなかったのか、

何度も目が覚めては、そのたびになぜか電話で時報「117」を聞いていた。(なぜ?)

そんな感じであっという間に朝になり、

いよいよすべての準備がスタートする。。。

Rさんが爽やかな笑顔とともに来られる。

制作に入るとナーバスになる人は多いけれど、

Rさんはサービス精神が旺盛なのか、とにっかくいろいろとお話して下さる。

これまでの経歴、パリでのこと、交友関係、奥様のこと、これからヴィジョン、音楽のこと、

そしてもちろん、花業界の現状や続けていくのに大切なことなどなど、

作業はノンストップでスピーディに進む中、興味深いお話を次々に笑いも交えつつ。

それはそれは至福のひとときで、お花に関わってきて良かった、と思える時間。

その中で、この結婚式が奥さまの夢を叶えるものであることが静かに伝わってきて、

夜中に夢の中で説得していた私も、とにかくまた200%花嫁の味方として、

今日はお手伝いさせていただこう、と固く決心する。

そんな素敵な時間ではあったけれど、

忘れてはいけない、私には重大任務があった、そう、ケイタイを取りに行かなければ。

後ろ髪を引かれる思いで、泣く泣く車を走らせる。

なんと、あとで聞いたら、

私がいない時間、スタッフたちはRさん直々に「メカニカル・フォーカルポイント」について、

講義を受けていたらしい!!!

その頃私は、無事手元に戻ったケイタイで、西宮のモスバーガーを検索していたのでした。

めでたしめでたし。

次号、ドゥジエムさん登場!の巻です。・・・・・・・・・・amica公式サイト

友引の、その日のこと

 

仕入れもいつもどおりのところで、

作業もいつもどおりのamicaアトリエで、

装飾し慣れた会場のウェディングの仕事で、

でも、「ある意味アウェイ」と言えるお仕事をこの週末にさせていただきました。

以前から色々なご縁のある、著名なフローリストのパリのRさんの結婚式。

急遽決まったその挙式の会場はうちから徒歩1分の芦屋モノリス

もちろん、装花をすべて持ち込みを条件にしてのお話。

挙式前日に来日、そして披露宴終わりにはまたすぐに帰国の途へ、という、

かなりのハードスケジュールなのは、この12月という、お花屋さん繁忙期のせい。

打ち合わせはメール、そして電話で。

パリと日本では用意できるお花に違いもあり、

仕入にはナーバスになりすぎないよう、あるもので対応していただける、とのことでした。

だいたいの色合いや花材が決まり、ぬかりなく仕入れをする。。。

Rさんと美しい奥様がいよいよ前日の夕方にアトリエに。

お花を見て、お二人で話されたあとに、

メインに使用するお花について一言、「この花はすべて使いません」。

それはどうしても奥様が苦手で、見るのもつらい、という花だったのです。

この季節のパリではあまり流通していないその花が、

まさかメインで使われるとは思っておられなかったのです。

私もNGの花材を確認していなかったことにそのとき気付きました。

しかし、amicaはどんなときも花嫁の味方、15年間、その希望の全てを叶えてきました。

で、メインになるお花たち、その数80本、

それを使わないとなると、何か代わりのものが必要になる。

チャペルも、披露宴会場も、すべて。

土曜日の18時に、

日曜の夕方からの挙式披露宴の花材を、、、!

なんとかしなくてはならない、とにかく、冷静に、、、!

お花屋さんならこの状況がいかにピンチかお分かりいただけるのだけれど、

お花の仕入れは基本的に月・水・金の朝であり、

土曜日のお昼頃には市場はほぼ空っぽの状態になってクローズする。

日曜には市場自体が休むところもある。

予想通り、どこの市場も電話しても誰も出ない。

いつもお世話になってる市場の人たちのケイタイに電話をかける。

ただ、市場のお兄さんたちは土曜日夜なんてのはくつろぎタイムなのであって、

すっかり飲んでるワケである。

それでも私のただならぬ声に、「わかった、なんとかして行くわ」と。

家族の人に送ってもらって市場まで来てもらいシャッターを上げてもらう。

とにかく今回のデザインに使えそうなものをいろいろと買い占める。

やれやれ、と思って帰路につき、しばらく走って気づく。

  

   はっ、ケイタイが、ない・・・・・!!! 市場に忘れてきた・・・・・!!!

血の気が引き「あ”あ”あ”ーーー!」

市場に戻るも、もう真っ暗で誰もいない。

明日のことをRさんやスタッフに連絡するのにどうしたらいいんだろう、

というか、誰の連絡先も分からないし、、、!

それより、見られちゃいけないメール?が満載なのに!?

・・・こんな感じで大切なウェディングの仕事は、さて、どうなるのでしょう。。。

次号へ続く

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