仕事がら、15年間の花人生の間には、
様々な結婚式に立ち会って来た。
友引のその日は、装花にも携わり、結婚式にもご招待いただいていた。
それは実はあまりない経験で、
装花のセッティングが終わりかけたら、次は着替えが待っている。
その完成した装花を見渡す。
今までの私自身の引き出しには全く無いようなスタイリングの、
独創的で季節のクリスマス感もある、ドキドキするくらい新鮮なデザイン!
前号までをお読みいただくとお分かりの通り、花材は途中で変更になった。
でもRさんは冷静に普段通りベストを尽くし、ワクワクするような答えを導き出す。
そこには何の困惑もなく、本当に楽しげに、目の前の花たちとセッションを楽しむように、
ひらめきと同時進行でどんどん作品が仕上げられていった。 それもアウェイで。
それこそが「本物」な人の「底力」なのだろうと、ズシリとした重量感を持って知った。
ついつい好みもあるしデザインの固定観念もあるし、アレがなくちゃ出来ないとか思いがちだけれど、
相手は花という生モノ、その場にある花たちの表情をそのまま最大限生かす形で、
うまくセッションしながら作り上げていくことが一番の理想形なのだと思った。
さて、自分の身支度。
普段、婚礼に関しては黒子、裏方であることが多いので、
自分の顔を整えるのは二の次、自分の顔より装花の仕上がりが気になるワケで(笑)
しかし山村さんにも「がんばりましょう」と励まされ?、珍しくアイラインを引いて参列。
この日の挙式、披露宴、あらゆる部分において、
お二人の手作りとのことで、それがとても楽しみでもあった。
オリジナルの席次表にはお二人のプロフィールに加え、列席のゲストの紹介も。
ウェルカムボードも、そして何より、演出、進行のほとんどがオリジナリティあふれるものだった。
挙式では参列者が全員結婚承諾書に署名したうえ、Rさんがお花を束ねる。
いわゆるブーケセレモニーに署名も合わせたもの。
Rさんの組むブーケで結婚することが夢だった花嫁さん、
あとで聞いた話では、「Rさんと結婚するんだ、私」と思って嬉しくて涙が止まらなかったそう。
繊細でフェミニンで豪華なブーケがみるみる完成。
列席者とお二人が一体感を持つ挙式と同様に、
披露宴でもゲストとの距離は近い。
なんと、新郎新婦が各テーブルを回って食事しながら、
ゲスト全員を一人ずつを紹介していく、という。
このスタイルは私は全く初めてだったけれど、
面白ことにそれぞれとのエピソードなどを話すうちに、お二人の人柄も浮き彫りになる。
いかに人との関わりを大事にしてこられたか、も。
席の配置も、ゲストお互いがそれぞれに話が合いそうな、そして、
今後お付き合いが始まればよいな、という人同士が同席するように。
私の隣にはRさんとのご縁の発端でもあるMゆかさん、
そして、東京のjuno fleurのおおたさんが。
この方、関西ジョシも腰を抜かすくらいの面白さで、もうずっと笑わせていただいた。
なんでも、「40過ぎて口角が下がった女は終わってる」というお母様からの言い伝え?があって、
とにかく「一日一笑」、それを実践なさっている。
この日、この友引の日、
もちろん、主役のお二人の友人が集まる幸せな一日であり、
そして私にとっても、初めて会う人、これから友となっていく人、その予感のある人、
そういう方々と会えた、とても幸せな日となった。
Rさん、Kさん、ありがとう。どうぞ末永くお幸せに。