友引の、その日のこと

 

仕入れもいつもどおりのところで、

作業もいつもどおりのamicaアトリエで、

装飾し慣れた会場のウェディングの仕事で、

でも、「ある意味アウェイ」と言えるお仕事をこの週末にさせていただきました。

以前から色々なご縁のある、著名なフローリストのパリのRさんの結婚式。

急遽決まったその挙式の会場はうちから徒歩1分の芦屋モノリス

もちろん、装花をすべて持ち込みを条件にしてのお話。

挙式前日に来日、そして披露宴終わりにはまたすぐに帰国の途へ、という、

かなりのハードスケジュールなのは、この12月という、お花屋さん繁忙期のせい。

打ち合わせはメール、そして電話で。

パリと日本では用意できるお花に違いもあり、

仕入にはナーバスになりすぎないよう、あるもので対応していただける、とのことでした。

だいたいの色合いや花材が決まり、ぬかりなく仕入れをする。。。

Rさんと美しい奥様がいよいよ前日の夕方にアトリエに。

お花を見て、お二人で話されたあとに、

メインに使用するお花について一言、「この花はすべて使いません」。

それはどうしても奥様が苦手で、見るのもつらい、という花だったのです。

この季節のパリではあまり流通していないその花が、

まさかメインで使われるとは思っておられなかったのです。

私もNGの花材を確認していなかったことにそのとき気付きました。

しかし、amicaはどんなときも花嫁の味方、15年間、その希望の全てを叶えてきました。

で、メインになるお花たち、その数80本、

それを使わないとなると、何か代わりのものが必要になる。

チャペルも、披露宴会場も、すべて。

土曜日の18時に、

日曜の夕方からの挙式披露宴の花材を、、、!

なんとかしなくてはならない、とにかく、冷静に、、、!

お花屋さんならこの状況がいかにピンチかお分かりいただけるのだけれど、

お花の仕入れは基本的に月・水・金の朝であり、

土曜日のお昼頃には市場はほぼ空っぽの状態になってクローズする。

日曜には市場自体が休むところもある。

予想通り、どこの市場も電話しても誰も出ない。

いつもお世話になってる市場の人たちのケイタイに電話をかける。

ただ、市場のお兄さんたちは土曜日夜なんてのはくつろぎタイムなのであって、

すっかり飲んでるワケである。

それでも私のただならぬ声に、「わかった、なんとかして行くわ」と。

家族の人に送ってもらって市場まで来てもらいシャッターを上げてもらう。

とにかく今回のデザインに使えそうなものをいろいろと買い占める。

やれやれ、と思って帰路につき、しばらく走って気づく。

  

   はっ、ケイタイが、ない・・・・・!!! 市場に忘れてきた・・・・・!!!

血の気が引き「あ”あ”あ”ーーー!」

市場に戻るも、もう真っ暗で誰もいない。

明日のことをRさんやスタッフに連絡するのにどうしたらいいんだろう、

というか、誰の連絡先も分からないし、、、!

それより、見られちゃいけないメール?が満載なのに!?

・・・こんな感じで大切なウェディングの仕事は、さて、どうなるのでしょう。。。

次号へ続く

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