今回は花のお話ではなく、タイトルそのままの母のお話です。
孫が五人もいて、世間的にはすっかり「おばあちゃん」なポジションの母ですが、
美と健康へのこだわりは人一倍強く、それに驚かされることが頻繁にあります。
姉とはときどき冗談で、
「健康のためなら死んでもいい」くらいの勢い、と話しておりますが(笑)。
「あるある・・・」や「ためして・・・」系の健康に関する情報をコマメに取り入れ、
その手の雑誌、書籍は常に何か読んでいる。
まあ、今の健康ブームが起こる以前のもっと昔から、
ヘルシーな料理を心がけ、勉強をし、そのおかげで私たち娘は元気に大きくなった。
梅干や味噌やぬか漬けはやはり母の味が一番だと思う。
美に対しては、髪や肌に良いことを様々試みているし、
ヘアカットも遠方のコダワリサロンに1時間以上かけて通う。
さて、
そんな母が先日、初めての韓国ツアーから帰ってきた。
お土産話を聞きに行ったところ、スッピンの母の顔がいつもと違う。
その違和感に私が「?!」となっている反面、母のどことなく勝ち誇った顔!
「ウッ!・・・」と言いかけた私に、
「眉毛に入れ墨してん!」とホクホク顔の母。
私は言葉を失い、なんとコメントしてよいか、困った。
そうか、韓国のオモニの顔なんだ。。。
いやいや待って、垢すりはする、とは聞いていたし、
旅行のメンバーで徹夜でナポレオンをする、とも聞いていたけど。
「い、い、入れ墨って!?」
入れ墨、それは一般的には半永久のことでございます。
反対に眉の形は流行によって年々変わり、太くなったり細くなったり、
臨機応変にしてかねばならないものでございます。
なのにナゼ、優しいゴルゴ13のような眉に?!
他の部分のメイクをしていない、ということもあるけれど、
明らかに眉毛だけが一人歩きをしている感じ。
髪の毛の色とは全く違う黒々とした、勢いを感じるカタチ、
特に眉頭が強い意志を表現していて、眉尻もやや攻撃的。
それがそこはかとなくゴルゴな風情を醸し出している。
食事中、話題にはほとんど集中できず、
何度か話の腰を折ってはゴルゴの話になってしまい、
今更ながら、アイシャドウのチップで少し色とカタチをぼかしたらいいよ、
とかアドバイスしたりして。
そんな私とは対照的に、母はものすごーーーく上機嫌で、
「朝のゴミ捨てで眉書かなくていい」とか、
「目元がハッキリして若々しく見える」とか、
今回のチャレンジが大成功だと若干興奮気味だったりする。
そういえば、もう何十年も続いている母のナポレオンツアー。
昔のOL時代の仲間4,5人で、日本各地、ナポレオン&観光する旅行。
あくまでもトランプがメイン(笑)だそうで、
私たち姉妹はその楽しくて辞められない「ナポレオン」を何度か習ったのですが、
母の説明するルールは断片的で、本に出ているものとは違っているし、
あげくの果てには「言葉では説明できないルール」ということで終わる。
多分、そのグループの何十年の歴史の中で、
ナポレオンは様々な協議のうえ修正や簡素化や新しいルールも加え、
他の人には入れない世界になっていっているようでした。。。
さて、食事も終わり、帰る頃になると、
なんと不思議なことに、母の眉をすっかり見慣れて、
あろうことか「いや~、案外いいね」みたいな感じにまで。
「じゃあ今度一緒に行こうか!」と言われたけれど、
「フローリスト辞めてスパイに転身したときにね」とさすがにやんわりと断っておきました。
ゴルゴ13並みにイイ仕事します、