旅の朝は早起き、
7時過ぎの飛行機に乗って約1時間、鹿児島空港に到着。
遠いご先祖様の西郷さんの銅像にあいさつをし、
人懐っこいレンタカー屋のおじさんに手続きをしてもらい、霧島へ。
10時には湯けむりの里で硫黄の香りに包まれていました。
今回の旅、
目的はふたつ、
ひとつめは後半にゆっくり書きますが、
ふたつめは神が宿るような清い森で深呼吸をすること、
伊勢神宮に行くのもいいなと思っていました。
霧島の観光案内所で、気ままに行き先を決めることに。
霧島神宮が、由緒正しき神様を祀ったパワースポットとのお話、
お伊勢さんに行きたかった私はまず目指しました。
深い森の中の、赤く美しい鳥居、
苔むした石の手水舎、
ここは天孫降臨の地。
境内を散策すると、湧き水が滔々と流れる川があり、
(野生のカラスウリは初めてで感激)
ここは春に坂本龍馬とおりょうさんが新婚旅行で立ち寄ったそうです。
湧き水は、なんて心洗われるものだろう。。。
ずっと見ていても飽きない透明感と清涼感。
そういえば昔、新幹線を途中下車して、柿田川を見に行ったことがありました。
霊峰近くに湧き水あり、ここのは高千穂の峰からの水でしょうか。
霧島の七不思議もゆっくり散策して、
そして、たっぷり深呼吸をして、
すっかり浄化され、霧島神宮をあとにしました。
美味しい神話豚(霧島ブランドの豚)のランチを済ませ、
ちょっと早めだけれど、楽しみなお宿へ!
大事な目的には、温泉に入る、というのもありました。
お宿は「旅行人山荘」。
GWの、ヒメノさんの温泉浸かりたおしツー、の中で気になっていたお宿でもあり、
今回霧島への旅のキッカケになっている、
椿さんご夫妻のオススメのお宿でもあります。
この、見渡す限り、森の風景、
その中で柔らかい水晶のようなお湯に包まれて、
鳥の声を聞いて過ごしました。
本当に、温泉はもちろん、素晴らしいお宿。。。
ホスピタリティが隅々に感じられる、知的な空気漂う場所、
宿泊のお客さんも上品で、大勢泊まっているのに騒がしくないという。。。
教えてくださった皆さんに感謝です。
私の、大事な場所になりました。
夜には満天の星の下、
涼しげなセミの声とコオロギの合唱を聴きました。
翌朝、
心も体もリフレッシュし、
清々しく霧島アートの森へ向かいました。
今回の旅の目的でもある、
椿昇さんの展覧会へ。
何か圧倒的に強いものに触れたい、
それが、今回の旅の一番の目的、
それは霧島神宮でも叶えられました。
そして、それ以上に、
椿昇さんの作品に、
しっかりと強く応えていただきました。
最初に、独特の緊張感とスケール感をただよわせて、
白い「MOONWALKER」が佇んでいました。
何度も写真などで見たはずの作品が、
全く別の、体温を持った存在感で訴えかけてきました。
やはり、実物を、自分の目玉で見ることが、こんなにも確かなことなんだ、と。
来て良かった、、、! そう強く思いました。
どの作品も、どの作品も、
細部から、全体から、エネルギーがほとばしっていて、
渾身の力が込められているのがビリビリと伝わってくる、
毒っぽさもただよう、
そこに圧倒されながらも、
その中に、何か、愛嬌に似た楽しさが感じられる、
パワフルでチャーミングな作品群。
(画像はポスターにもなったAesthetics Pollution :金沢21世紀美術館蔵)
ほとんどの作品はとても大きく、
何もないところから始まっているとは信じられないほどの存在感。
一つの線で始まるスケッチであったり、精密な試作品があったり、
そこから、ひとの手で少しずつ形になっていく、
近くで見る作品には、体温や生々しい強い命が宿っているようでした。
「METAPOLICE」という作品、
たくさんの目が、まっすぐ前をみて、つぶって、を、
波が寄せて返すように、ザーッという音を立てて繰り返す作品。
無表情な目と、淡々と見つめ合っていると、
真実や、自分の奥底の心理、俯瞰でみたときの自分の存在感など、
色々なものが時空を超えていくように混ざり合い、
縛られていたものから解き放たれ、軽やかに、
大きな自由を手にしたような感覚になりました。
椿昇さんの展示会場を出て、
霧島アートの森の、広い敷地の中の展示作品も見て回りました。
緑の中で作品を体感できる、素晴らしい美術館。
椿昇さんの作品も、
霧島神宮も、
圧倒的な存在感でありながら、
威圧することなく、
エネルギーを惜しみなく与えてくれて、
心身のありようを整えてくれました。
こころから、深く、感謝。
美味しい空気、美味しい水、大きな森、
温泉も、鳥の声も、草花も、
そして現地の人の温かさにも大いに癒されました。
旅を仕事にしている人がいつも「九州は人が温かい」と。
今回で実感しました。
霧島の旅、
最上級のデトックス。
生き返った気分。
これからは、
新しい扉もどんどん開いて、
命のかぎり、渾身の作品を、楽しく、私なりに作っていこう。
さて、
素人のワタクシの個人的な感想ではない、
学芸員の前野耕一さんの解説つきで、
椿昇さんの作品がご覧になれます。
「”PreHistoric_PH” 椿昇展」(前野耕一さんの解説つきの動画)
最後に、遠いご先祖の西郷さんの言葉を。
人を相手にせず、天を相手にせよ。
天を相手にして、己れを尽くして人をとがめず、
我が誠の足らざるを尋ぬべし。 (西郷隆盛)