前回から更新が滞ったからか、
久しぶりにお会いした方から、
「フレンチスタイルじゃなかったの?」と。
普段お会いしている生徒さんや、
熱心にブログを読んで下さってる方にはご理解いただいていると思いつつも、
そういったお声もある意味あって当然かと思いまして。
ここで改めて、の話。
私の、自分にとっての花のスタイルについて。
(長文です、笑)
スタートは、紛れもなくフレンチスタイルでした。
その色合いや花合わせ、洗練された、そして、何より素材を贅沢に味わうこと、
それまでの「単なる植物好き」な自分が見てきた花たちが、
全く違った表情を見せて輝く、その新しさを感じたのです。
それが、1994年。
パリへは2度、また、パリからのフローリストのデモンストレーションを見たり、手伝ったり。
とにかく、それまでの花好きのうえに、新しい美しさに、どんどんと目からウロコ。
そして、自分の作るものの中にも、自画自賛ながら閃きと感動が生まれるようになる。
そんな、1995年。多分。
自分自身が思う、美しく魅惑的なもの、新しいもの、ワクワクさせてくれる素材、
何かしらの時代の流れや影響はあるにしても、
誰かの真似でもなく、どこかのネタを取り入れることもなく、
(いや、それはプロとして断然、恥ずかしいことだと思うのですが)
なので、何流でも何派でもなく、
自分が良いと思うものを、アンテナを張って全力で選び出し、作成し、提供する、
そんなことを続けて15年以上。
あえて何流かといえば、自分流。
こんな、やや横柄な表現、今だから、15年以上続けて来たから、
言えることかもしれません。
そして、これからは、さらに、もっと自由に。
年々、引き出しを増やし、奥行きも増し。掘り下げ、根を張り。
それに近いことが昨年12月に。
京都の由緒ある、国の名勝でのご婚礼。
ここには普段、花屏風という花器が置かれ、お庭の花々が活けられています。
少し前に、美男かつら、古典菊を活けたばかりだった私は、
この、自然のしつらいにじっと見入っていたわけです。
私は遠くから取り寄せたっけ、、、この花材たち。
で、婚礼装花。
花屏風と、お二人のテーブル、
あえて洋花も混ぜて、和の空間に。
終わってから、
その会場の、素敵な女性館長さんと花談義。
洋花がとても新鮮に映ったとのことで、お褒めいただき、、。
もし今後お庭にあるものでよければ、どうぞ、と。
そんな夢のようなご提案もいただいて感激しきり。。。
車じゃなければ、一緒ににごり酒をいただいたのですが、、、残念。。。
その館長さん、
様々なお花の流派の決まりごとから自由でいたいから、
花屏風というデザインの花器を考案されたとのこと。
このデザイン、昔クリスチャントルチュも作っていた試験管を連ねた花器、
その何十年も前からあった、モダンな和のしつらい。
この自由さに、共感した、そんな京都の一日。
私は、花を使って自分表現するタイプではなく。
ビジネスとして大きなヴィジョンを掲げているわけでもありません。
ただ、ある意味、単純に、植物が好きだと思います。
花に限らず、生命力にあふれた、草も実も、大きな樹木も、這って伸びる蔓ものも。
それを、これからも熱烈に追いながら、
その素材たちが生きる、
そして、その空間にも命が吹き込まれる、
それで、誰かが喜んでくれる、
そんな仕事を続けていきたいと思います。
スタイル、国籍、固定観念、
これからもどんどん良い意味で壊し、越えて、自由に。