子どものころの夏休みには必ず、
「自由研究」とかいうやっかいな宿題があって、
毎年何も思いつかないまま8月の終わりを迎えていたのは私だけでしょうか。
さて今年の夏は神尾真由子さんのこれを聴いて以来ヴァイオリンにハマっておりまして、
実家のヴァイオリン・コンチェルトなどを改めて聴いたりしています。
ソロを弾く演奏家によってこれほど見える風景が変わるのかと驚きつつ。。。
神尾さんの情熱的演奏の素晴らしさもさることながら、
この、ありとあらゆるヴァイオリンの超絶的な技巧を織り込んだ24の楽曲、
驚きと共に聴いているうちに、独特のきらめきと不思議な美しさに虜になり、
この旋律を作ったニコロ・パガニーニという人について、
知らないうちに「自由研究」しておりました。
まずはその姿、ドラクロアの絵画にも描かれています。
パガニーニ(1782~1840)は天才的なヴァイオリニスト・作曲家で、
彼の曲の演奏には超絶的な技巧を必要とすることは良く知られています。
そのテクニックがあまりに超人的だったことと、特異な外見から、
悪魔に魂を売り渡してその技巧を手に入れたのだろう、とも囁かれたと言います。
ただそれは彼が「マルファン症候群」という遺伝的な病気の持ち主であったことと関係していて、
非常に背が高く、指が蜘蛛のように長かったことで人並みはずれた演奏が可能だったようです。
(ちなみにラフマニノフも同じ「マルファン症候群」だったそうです)
彼の演奏会は常に超満員、あまりの素晴らしさに失神する観客もいたとのこと。
彼の出現の前と後では、
その時代の音楽の常識が全く劇的に変化したそうです。
ベートーヴェン、ショパン、シューベルト、シューマン、ブラームス、ラフマニノフなど、
著名な音楽家も彼に影響を受けたそうで、
その熱狂的ファンの一人、フランツ・リストは「ラ・カンパネラ」というピアノ曲を、
パガニーニのヴァイオリン曲を元に編曲したそうです。
ということは、
私はずいぶん前から「ラ・カンパネラ」という曲に心魅かれていたので、
そのころからパガニーニの旋律に魅せられていた、というわけなのでした。
この短い動画の中で、
Caprice No.24を Alexander Markov(アレクサンダー・マルコフ)が、
Concerto No.2,Campanella を Ivry Gitlis(イヴリー・ギトリス)が、
Variations on God Save The King(英国国歌)を Ruggiero Ricci(ルッジェーロ・リッチ)が
演奏しています。
最後の国家はまさに「パガニーニ風」で興味深いですね。
「ラ・カンパネラ」といえばこの方、イングリット・フジ子・へミングさん。
この方の人生が、この曲に織り込まれているように私には聴こえます。
一人の人物の登場で、
様々なことが飛躍的に進化発展を遂げること、
今の世の中、特に政治の世界にそんなドラマがあると良いですね。
なんとなく、大勝だけは避けたほうが良いのでは、と動物的勘で思う・・・・・・・・・・amica公式サイト