私の仕事のルーツでもあり、
もっとも大切にしている仕事の一つでもある、
ウェディングブーケ作り。
これは知れば知るほど奥が深く、
「花」の仕事の範疇に留まらないことが分かる。
美しいウェディングドレスを着て、
プロのヘアメイクによって仕上げられる、
輝きを放つ花嫁、日常にはない、フォーマルなスタイリング、
そのときに、手にするブーケ、
婚礼の日のウェディングブーケ、ヘアコサージュというのは、
ファッションの一部にもなり、
ヘアアクセサリーの一部にも、ヘアスタイルの一部にもなる、
全身のバランスを左右する重要なアイテム、
それは、主張し過ぎず、
何より、花嫁自身の美しさと個性と幸福感を、最大限引き出すアイテムでなければと思う。
とはいえ、大抵のお花屋さんが、
他のギフトやテーブル花などと同じように、
数々の作業の中でさらっと作ってる、、、
丸くキレイに作れるのももちろん大切、
でも、ウェディングブーケに関してはそれだけじゃプロの仕事ではない。
そんな、語りだしたら止まらないようなアツい思いで始めた講座、
基本の形をより美しく作るポイントを始め、
あらゆるデザインや、オリジナルなものも含めた手法について、
全てを網羅した、11回の講座。
予想していなかったことですが、
受講生の7割がフローリスト、
他のお店で実際に様々な商品を作ってるプロの方々。
さて、そのお一人の方が修了されたお話。
各講座、それぞれに優秀な出来栄えで、順調に。
ローズメリア、カラーのアームブーケなどは難なくこなして。
そしていよいよ、最終の11回。
自分で自分のウェディングをイメージしてドレスを選び、
ブーケのデザインも決定する。
その生徒さんが選んだのは、ロマンティックでクラシカルなドレス。
お花の「色はお任せ」、「形はクラッチブーケ」とのリクエスト。
なので、ドレスのイメージに合わせてモーヴ系のシックな色合いをたっぷりと揃えてみました。
その生徒さん、美しい色合いに大喜び、喜びいさんで腕まくりで作り始める。
同系色の素材を、硬い質感のもの、柔らかい表情のもの、あえて取り混ぜて、
その中からどう選び、どう組むか、
技術を持った人なので、2回目までは黙って見守る。
第一回目に組んだ(左)、そして、第二回目(右)の作品。
同系色を束ねれば、ある程度のまとまりにはなるし、丸く組んではいる。
決して「ダメ」ではないし、この段階で納品する花屋さんはあると思う。
でもこれで150点満点か、というと、違う。
組んだ本人も納得がいかない様子。
何か足りない、では何が?
それは、「感動を与える美しさ」。
そこでアドバイス。
素材の質感の相性(グズマニアの強い線、トルコキキョウのフリルなど)、
同系色の中にもアクセントを(トルコキキョウのグリーンのつぼみ)、
ドレスの印象に馴染むようなニュアンス作り(スモークグラスを使う)、など
素材をしっかり見ること、ドレスとのトータルのデザインを作ること、
そのアドバイスで完成したのがこちら。
同じトルコキキョウやカラーをメインにしても、
合わせる素材によって、またはそのレイアウトによって、
表情が全く変わって見える。
ピカソというカラーの淵の色と、
トルコキキョウのつぼみの色、そのリンクを見逃さず、
その色と隣り合わせにして引きたてる実モノは何か、など。
じっくりと、丁寧に組み上げて完成。
とても良い練習になったのではないかと思います。
ところで、
ブーケが完成したところで「ドレス風ワンピ」に着替えて写真を撮ったのは、
イナイ君、あなたが初めて(そして多分最後w)ですよ!(笑)
大喜びでアタシも嬉しいけど!
そして。
なんと、これには後日談があって、
この数日後、このブーケを持って(多分このワンピで)
結婚式以来初めて、約10年ぶりにダンナさんと写真館で記念写真を撮ってもらったらしい。
良かったね~^^
実際の結婚のときのブーケがステキじゃなかったことのリベンジも出来たとのことだし。
何より夫婦円満に一役買いました!
ウェディングブーケレッスンの講座、
引き続き、お申込み受け付けております。
日程や受講内容は個別に相談のうえ、決定となります。
平日、週末、短期で、など、お気軽にご相談ください。
既に結婚式してブーケ持ったけど、そのお花が「不本意だった!」という方も是非♪