女性が美しく見える条件で、
「夜目、遠目、傘の内」という言葉がありますが、ご存知でしょうか?
意味はそのまま、夜暗いところで、とか、少し離れて、とか、傘の下では、とか、
そういったところで見ると普段より女性は美しく見える、らしいのですが、
さて、いかに?
私はわりとモノ持ちが良いほうで、
または気に入ったものを長く使いたいというのもあり、
手にするものはしっかりと選びたい、と思っています。
傘も、ビニール傘が世にあふれているものの、
もう10年近く同じ白い傘(いただいたもの)を使っていて、
最近改めて見て、その汚れや傷みもかなりのものだと気づきました。
ここらで新調しよう、と思い立ち、前から気になっていた前原光榮さんの傘を。
色のバリエーションの多い中で、かなり迷ったのですが、
持ってる小物はモノトーンばっかりだし、
差したときに全然違う世界が広がって、気持ちが晴れるのがいいかな、と。
プリンセスと同じ色に(笑)。
16本骨の傘の美しさ、ひとつひとつの部品の細やかな美しさ、
そして作りの丁寧さ、傘全体に漂う上品さ、、、
そのうえ、なんとこれは雨の音も美しく響くらしい。
早く雨が降らないかしら、
路地のアジサイと同じくらい、今の私は雨が待ち遠しい。
美しい傘を大事に抱えて、
今度は「ハゲタカ」を観に行きました。
数々の賞を取ったNHKの人気ドラマの映画化、
ドラマのほうは気になりつつも見逃していたのと、
主演の大森南朋(おおもりなお)さんが気になる、というのもあり。
詳しい内容はここでは言うまい、です。・・・が、
☆は5つ!ぜひご覧いただきたいと思います。
で、あえて全然違ったところが気になったので、それを書きます。
実は私は「男性のスーツ姿」が好きなのですが、
この映画では様々な俳優さんの着こなしを見ることができます。
私の勝手な持論としては、「スーツは肩と胸で着るべし」かと。
(エラそうな言い切り方・・・笑)
スーツというのは形がシンプルなだけに姿勢は相当大切な要因で、
その人の身長や胸板や全体のバランスもさることながら、
「気概」や「生き方」や「モノのとらえ方」など、広い意味での「姿勢」が表れると思います。
鷲津役の大森さんはこの映画に向けて、
ドラマから4年後という設定や役作りのために、
約10キロ体重を増やしたそうですが、
なんだろう、スーツが、なんというか、、、
が、この映画の男性陣はすべてかなり素敵で、
戦う男たち、大切なものを守る男たちが、
まるでビリビリと音を立てるくらいの緊張感を持って、美しく描かれていると思います。
舞台として登場するホテル、マンダリンオリエンタル東京も素晴らしいです。
それにしても良い作品、、、。
この映画に関わった、志の高い、アツい人々に惜しみなく拍手を送りたいと思います。
単なる一過性の娯楽作品ではない、
本当に素晴らしいドラマが、人間の良識が、そして、現代の本質が描かれていると思いました。
さてと、私は、
職人さんの熟練の手によって作られた美しい傘を差して、
本当に傘の内は美しく見えるか、と、誰かに確かめてみよう(笑)