5月になりました。
5月1日、フランスではすずらん(ミュゲ)を大切な人に贈る、「ミュゲの日」です。
この日ばかりは業者さんの許可、無許可、関係なく街中で売っていて、
すずらんであふれんばかりになるのですが。
日本ではこの素敵な習慣が定着しないのは、
母の日の前だということ・・・お花屋さんが母の日準備で手一杯、
すずらんのデリケートさ・・・寒冷地での栽培が多いので、首都圏などの気温で蒸れやすい。
というわけで、すずらんはまだまだ、その性質通り、日陰で咲く可憐な花、
そのままの存在感なのです。
さて、ミュゲの日の、その数日前に、
「すずらんをテーマにしたアレンジのレッスンを」
というご要望にお応えしたのです。
数か月前から決まっていたこのレッスンに、
仕入れを万全に色々段取りをしておりました。
長野県からの出荷に代わって、
この日、初めて北海道から届いたすずらん。
今年は気温が低めのせいか、やや、、、短い。。。
短いものを生かす、そんなデザインを。。。
というわけで今回も知恵を絞り、感性をフル活動させ、
花器、その他の花材などを準備しました。
(このデザインはまだベールに包むために画像は小さめになっております)
レッスンをリクエストして下さったのは仲良しマダムの皆様。
会話を楽しみつつ、笑いも絶えない中、少しずつ作業が進められていきます。
「男性にこんな可愛いミニブーケ贈られたら、好きになっちゃう!」とか。(私も大賛成)
曇り空のこの日、キャンドルがしっとりと映えました。
ミュゲの日、
すずらんを贈ると、
贈られた人に幸運が訪れる、という、
そんな風に贈られたら、
すずらんの持つ清らかな香りが、
一層魅力的に感じられるだろうなあ、と。。。
お花を贈る、ということは、
そのまま、気持ちを贈るということでもあり、
相手を慮る(おもんばかる)ということでもあり、
そのお花の周りにはそれぞれの人の風景があり、
人と人をつなぐ役割を果たしたメッセンジャーとしてのお花も命を全うし、、、
そういう役割のものを日々制作しているということを、
改めて心に留めて、
来週の大きな山に向き合っていこう、と思った、
ミュゲの日でした。