芍薬の季節になりました。
この、ふっくらとした花姿と、
甘い色合いで年々人気が高まっています。
「花」を仕事にしている以上、あまり好き嫌いは考えないにしても、
それでも私自身、大好きな花ベスト10に入る芍薬。
なぜにこんなに、この季節のグリーンと合うのでしょう、
改めて、私は緑色が大好きなんだな、と気付く。
少しずつ、時期をずらすように、いつもの順番で様々な品種が登場してくる。
だいたいはルーズベルトに始まり、ラテンダンサー、華燭の典、さつき、富士、などなど。
ポーラフェイやコーラル系にうっとりする一方、儚げな滝の粧(よそおい)にもしばし見とれたり。
主要なラインナップが出そろう頃に、
ようやく王様の、白の、大輪の品種が登場。
芍薬は、大好きでワクワクする反面、
ココぞというタイミングに、思ったような咲き具合になるか、開花調整に神経を使う。
品種によって、開花までの日数が異なるし、もちろん、気温や湿度でも変わる。
週間天気予報と、温度湿度計と、そしていつもの動物的勘と経験を頼りに、
欲しい咲き姿を逆算して仕入れる。
というのも、仕入れてすぐはこんな感じ。
下手なゲンコツよりもカチカチ。。。
そんな芍薬をメインにしたレッスンが終わりました。
ちょうど皆さんのお家でふんわりと咲くように、と、
数日前から咲かせた花たち。
そのせいか、レッスンの間ずうっと柔らかな空気に満たされました。
私もその空気に包まれながら、
最近知り合った人々を思い出していました。
「海遊びのN氏」
マリン系バッグメーカーJでカバンのデザインと制作にひた向きに取り組みながら、
その遊び心と、興味と、デザインの幅を生活雑貨にまで広げつつあり、
インダストリアル・デザイナーとしても可能性が感じられる人。
「山遊びのお店、芦屋Sのオーナー」
かなり分かりにくい場所にあるショップながら、
名品を扱うアウトドアグッズ店としてだけでなく、
山遊びの楽しさをドトウのように提案してくれるスタイルの、強い求心力のある人。
それぞれ、
趣味と、仕事と、遊び、生き方、生活、健康、などが、
境目を持って、またはあるときは境目なしに混ざり合い、
自分自身も楽しみながら、とことん真剣に喜び(=シゴト)に向き合っている、
幸せな人達。
ふと、私もちょっぴりそうなのかな、と、
レッスンのふんわりとした空気の中で、
静かに、しっかりと噛みしめました。