早いものでココ芦屋に住んで三年目を迎えた。
正直、最初は「芦屋に住む」というのに照れがあって、
なんとなくこそばゆい気分で落ち着かなかったけれど、
今では裏道をスイスイ走り、美味しいモノを食べつくす、
自分にとって早くも住み慣れた、愛着のある街になった。
お店を出す人、または広い意味で商売をする人なら、
やはり「芦屋」というブランドを目指す人は多いと思う。
もっと平たく言ってしまえば、
アシヤのフユウソウをネラッテ、ショウバイしよう!と。
そういうギラギラ感のあるお店は一目で分かる。
ああ、ソレ狙いなんだな、と。
しかし芦屋はそんなに簡単ではなく、
値段に大らかどころか、逆にものすごくシビアだと思う。
そのモノが上質でも値段に見合っていなければいけないし、
どんなにこだわったモノでも押し付けがましいのは歓迎されない。
上質で厳選された本物であることは「当たり前」、
そこに説明や講釈は「不要」で、
それに適正な価格が示されるなら「躊躇なく」支払う、
なんとなく、そういうところだなあ、と。
私自身、芦屋を目指して拠点を構えたワケではなかったけれど、
この街に来ることができて、本当に本当に良かったと思う。
自分の強運にバンザイ!な気分。
この街での確かな情報とは、
マスコミなどとは違って、やはり口コミだったりする。
それはそれは密に熱心に情報交換が行われ、
発信する側も受け取る側も、テキトーではない。
常に「良いモノ」への探究心がアツい。
ウチの近所に、
雑誌にも情報サイトにも一切出ていない飲食店がある。
同じ通りの他のお商売は入れ替わりが激しいのに、
その店は昼のランチタイムは13時には完売(何度か涙を飲んだ、、、)、
そして夜もいつも賑わっている。
聞くとオープンしてまだ2年だそうで。
人気の秘密を色々観察してみると、
お味が美味しいのはもちろん、
なんとはなしの居心地が良い(広さや隣との距離)、
渋くてありきたりではないBGMが有線ではなくオーナーセレクトのCD!、
そしてサービスがさりげな~く細やかに行き届いている。
大将の「ウェルカム」なオーラと程よい会話、などなど。。。
同じ通りには、以前テレビ取材の来たお店がある。
取材までの経緯は分からないけれど、
一時的にワッと人が集まったものの、
数ヶ月でまた火が消えたように元の状態になった。
出れば有名になる、というものでも、
有名だったらよいモノ、というわけでもない、
厳しい価値基準を個々に持っていて、大勢に惑わされたりしない。
ここでは本当に色々と勉強になる。。。
楽しくも厳しい街、芦屋で、
これからもこっそり頑張っていこう、とこっそり決意を固めて、
こっそり今日は誘われてラジオ番組の収録に行ったりしました。
しかし、リハーサルなしに原稿なしに短時間に簡潔に流暢に美しく話す、
そんなことできるわけないワケで。
小汗かいてシドロモドロしてアワアワしてあっという間に終わり。
なのでこっそりオンエアされて終わりにします(笑)。
どこぞでお耳にかかった場合はご容赦を!
写真は今日横浜へ発送した、芦屋モノリスの方からのオーダー。