私のような仕事をする者にとって、
花鋏やフローリストナイフは何より大事な道具。
使いやすさ、切れ味、
そしてできれば美しさもあるとなおいい。
普段使っている道具は、
スイスのヴィクトリノック○社のフローリストナイフがメインで、
太い枝やワイヤー類はア○○社の大きなものでガシガシ切る。
今まではあまり深くこだわらずにそれぞれを使っていたけれど、
ナイフは問題ないとしても、
ア○○社のハサミに関しては以前から使い捨てが気になっていた。
持ち手がプラスチックだというのも、
プラッチック(関西風の呼び名)を好まない私としては、
なかなかしっくりいかない感じがする。
そこで、ふと、
二年前に祖母からの形見でもらった和鋏を思い出し、
慣れない手つきで少し使ってみた。
この「慣れない手つき」というのはなかなかお恥ずかしいけれど、
普段使いつけないものはやはりすぐには手に馴染まない。
今までも何度か和鋏を手にしても、
使いこなすまでは持ったことがなかった。
でもなんだか今回に限っては、
もう少し使って、この鋏に慣れてみようと思った。
和鋏は切れ味が悪くなれば研げばいい
これは道具を使い続ける者としては、
モノを愛着を持って大切にできる、という喜びがある。
この鋏・・・
おととし祖母が亡くなったとき形見分けとして、
草月流を祖母から習っていた親戚の人たちと、私とで、
祖母が愛用したいくつかの鋏を分けることになった。
遠慮がちに分け合った最後に、
一番良さそうなものが残った。
「これは木屋の、、、」
「まあ、本当に、、、」
「これはこれは、、、」
和鋏の値打ちを知る人たちは目を細め、
口々に感想を述べ、憧れを持ってその鋏を見ていた。
で、まあ一応現役ということで、
ややヒンシュクを買いつつも私が譲り受けることに。
あれから二年、ふとその鋏を使おうと思い立った。
切れ味は花のアクや汚れ、長い封印でややお手入れが必要だけれど、
和鋏特有の軽やかで楽しい音がする。
ところで、木屋って?
それから鋏に書いてある国治作って何のこと?
和鋏に関してはなんにも知らない私、早速ネットで調べてみた。
ご存知の方ももちろんいらっしゃるでしょう、
そうなんです、木屋とは、1792年創業の、大変な由緒ある、
刃物の木屋なのであります。
そして国治作、ですが、
これも名匠のお名前、現在二代目の職人さんのお名前でした。
どうやらもしかしたら、
年代から考えても文字入れのデザインから見ても、
先代の国治さんの作という可能性もアリ、
なんともお宝的な鋏だということが発覚したのでした。
ようし、ここらでもう一度気合を入れなおすためにも、
その鋏をピカピカに研いで磨いて、
これから長く大切に使っていこう。
お婆ちゃん、ありがとうーーー!
さてさて、最近もうひとつ、
年代を越えて長く愛されているものを入手しました!
それは「Repetto(レペット)」というフランスのバレエシューズ。
さすがにこれを履くとナゼか心踊り、足取りが軽やかになる。
今からの季節は街中ブーツ一色になると思いますが、
amicaダンサーズの皆さん、コレおすすめです^^
私が買ったのは「BB」のアンティークゴールド。
(ベベ、そうです、ブリジット・バルドーが愛用したデザインです)
HPのラインナップ見てるだけでも楽しい。
バレエシューズはオンナ心を刺激しますね~。